裏フィンランド

憧れる人も多い北欧フィンランド、表面的なことだけでなく内側の部分を紹介します

フィンランドで働くー労働文化編ー 面談や評価制度

無事内定を得て入社が決まった方、おめでとうございます!

フィンランドで働くということは最初は戸惑うこともあるかもしれません。
国が違うので当然日本とは違う労働文化や風習、制度があります。

今日はその内の一つ、面談や評価制度についてお話ししようと思います。

 

面談と評価

面談は主に無期雇用で正規の従業員に対して行われます。

シーズンバイトなどの短期契約や、派遣会社を通して仕事をしている人はほぼ対象外です。

フィンランドにも日本と同じく年に最低1回、職場によっては数回ほど上司との面談が予定されます。

面談は以下の名称で呼ばれることが多いです。
職場によって呼び名や扱いが大きく異なります。また複数の面談が行われることもあれば一つしか行われないこともあります。

呼び名の一例:

  • Yhteistyökeskustelu
  • Kehityskeskustelu
  • Kausikeskustelu
  • Tavoitekeskustelu
  • Arviointikeskustelu
  • Palkkakeskustelu

面談では主に「過去の業務の評価」や「給与交渉(昇給)」などを議題として、上司と話します。
また評価以外に「現在の業務で改善したいこと」や「今後挑戦したい業務」などを話し合うことがあるでしょう。

所要時間は職場や相談内容に大きく左右されますが、15分で終わるものもあれば2時間以上かかるケースもあります。

 

昇給について

基本的には2種類あります。評価制度による昇給と労働協約による自動昇給です。

評価制度は職場によって基準を設けているため非常に多岐に渡ります。
上司の一存で決まる場合もあれば社内規定に則ったりと様々です。

また労働協約が有効である業界ならば毎年数%、協約に基づいた率で自動的に昇給します。

労働協約は業界によります。
あなたの職場(業界)がどの組合に所属しているのか不明ならば確認しておきましょう。

 

面談は積極的に

フィンランドでは昇給交渉を始めとして、職場でこうしたほうがいいなどの提案や要望は「まず言ってみる」といった文化があります。

これは仕事に限らずフィンランドの文化的なものです。
「言わなければ伝わらない」を覚えておきましょう。

 

実際に要求が受け入れられるかは別として、とりあえず何でも言ってみることが大切です。「迷惑をかけるんじゃないかな」と気にする必要はありませんし、「察してほしい」は察してくれません。

これは自分の個人的見解ですが、業務について意見を言わない人は積極性に欠けるなと感じます。ぜひ恐れずに自分の意見を言ってみてください。

 

そして昇給の交渉(Palkankorotus)をするのはフィンランドでは一般的です。
お金に対して卑しいと思われたくない方もいるでしょうが自身の努力を正当に評価してもらうのは働く上でとても大切だと思っています。
きちんと「自分が何をどれだけ達成してきたのか」をアピールし、給与交渉に臨みましょう。

 

自分自身だけでなく上司や職場も評価する

これも職場に大きく左右されるところではありますが、フィンランドでは上司や職場に対する満足度を調査する習慣があります。

職場だけでなく学業の場でも行われることがあるので学生の立場でも身近なものとなるでしょう。その場合対象は学校や先生です。

 

Tyytyväiskysely(満足度調査)やTyöhyvinvointikysely(働きやすさ調査)といった名称で行われます。
匿名で行われることが多いでしょう。

直接面と向かって上司に言いにくい事や、上司だけでなく組織全体に対して物申したい時がある際はここで回答するといいでしょう。

「従業員はこの職場に在籍して満足しているかしてないか」が統計データとして出ます。
改善されるかは別として、管理職の人間が新たな気付きとなるきっかけにもなるかもしれません。

 

記事としては少々短いですが次回が少し長くなってしまうので一旦ここで切りたいと思います。
次回は福利厚生について説明します。